電子書籍(デジタル) | 自費出版・共同出版(紙媒体) | |
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在庫は? | ダウンロード販売なので持たなくてもいい | 何百単位で在庫を抱えなくてはならない |
制作費は? | 電子書籍を制作するだけなので数万円と安価ですむ | 色々な行程が入るので数十万から百万を超える 高額になることも |
どれくらい並ぶの? | 一度アップすればずっとネットに存在する | 数週間で店頭に並ばなくなる |
増刷は? | ダウンロードなので追加制作が不要 | なくなれば増刷する必要がある。追加料金も必要 |
印税は? | 1冊単位で入ってきます | 多くの場合、印税は0円 |
ネットが普及した現在では、文字を書く人が大変増えてきています。その中で小説家を目指している人もネットの普及率とともに増大し、HPを開いたり、小説投稿サイトで発表している人も大変増えてきています。こうような形での発表は多くの場合フリー公開が定番となっており、それでも「なんとか小説でお金を稼ぎたい」と考えている人も沢山いることでしょう。
中には各出版社で行われている小説大賞に応募している方も多いはずです。その投稿作品数は1000を超えることも少なくなく、大手出版社では2000、3000といった作品が集まっているようです。しかし、その中で大賞の一作品だけ、場合によっては該当無しといった場合もあります。仮に佳作までに入れば出版してくれるとしても、かなり狭き門であることは間違いありません。
そこでもう一つの方法が、自費出版・共同出版です。
十年くらい前までは専門で業務を行っていた会社も数多くありましたが、今では大手出版社でも自費出版の業務を行っているところも出てきました。
需要と供給を考えれば、自費出版・共同出版のシェアが急速に広がるのも自然なことなのでしょう。
しかし、自費出版・共同出版にはかなりの金額がかかり100万円前後の金額を言われた経験をされた方もいらっしゃると思います。
それだけの金額を出せるのであればそれも小説家への道だと考えます。しかし、その投資金額に見合うことが行われているかと言えば疑問が残るところです。編集作業を終え、いざ発刊したとしても数週間店頭に並ぶだけで後は倉庫に眠るのが悲しい現実でしょう。
雑誌を合わせると日に百数十種類の本が発行される。この現状を考えれば無名作家のスペースは無しに等しいと言ってもかまいません。それでも数々の難関を乗り越えてベストセラーになった本があるのも出版界の現実です。
その狭き門に立ち向かわなければ、小説家の道がないかと言えばそれもまた違うと考えます。
小説家とはまた少し違いますが、日本では漫画同人作家と言う職業が成り立つ世の中になってきました。年二回行われるコミックマーケットの大手同人誌の売り上げは、かなりの額になるそうです。そして、そうした同人作家達はネットを上手く使い販売を行っています。
この流れは小説にも徐々に波が訪れていると思われます。そして追い風になるように電子書籍が脚光を浴び、iPadやiPhone、その他スマートフォンや電子書籍専用端末などが売れ行きを伸ばし、アメリカでは「電子書籍の発行部数が紙出版物を抜かした」と言うニュースまで報道されています。日本でもこの波は確実に押し寄せこれから先、紙媒体がなくなることはなくとも電子書籍のシェアは拡大していくことでしょう。
そして本をデジタル化することにより、制作する時に紙の本とは違ったメリットが沢山出てきます。